可望而不可即

思う事が色々と。

風俗行ったら人生変わった話③

僅かに洋楽が流れている部屋。 R&Bだった気がする。

お互い体を拭き終わったら、ゆめちゃんが何も言わずにキスをしてきた。 この世に生を授かり約7000日、初めての感触。

唇が合わさった瞬間に頭が真っ白になった。 間髪入れずに舌が口の中に侵入してきた。 生暖かく、柔らかい肉感と微かな息遣いが全身に突き刺さる。 唇が離れた瞬間に思わず

『ごめんなさい、ありがとうございます…』

と口走った

『謝らなくていいんだよ? 遠慮しないでいいんだよ?』

と返ってきた。

込み上げてきた、爆発した情動で勢いのままハグをしようとしたら、

ゆめちゃんの方から抱きしめてくれた。

温かくて柔らかい感触が全身を襲った。


思えば色々あったな…何故かモテた小学生の頃、受験をして入った中高一貫校で入学早々いじめられて周りから蔑まれて、見下されて、成績も上がらず、荒んで、心の傷と無駄に大きすぎる承認欲求を得た中高時代。 女の子は誰も相手にしてくれなくて、拗らせたまま結局何も事態は変わらなかった。 だからこそ勉強だけはやらないと俺には何も残らないと必死で勉強だけをして入った大学。 結局馴染めず、友達も彼女も出来ず、昼飯も一人で家に逃げ込んで食べたり、ぬいぐるみで寂しさを慰め続けているこの現状。



いろんなことがあって 自分を嫌いになった

なぜ俺だけがこんな目に遭うと

他人を羨んだりもしたさ


だけど今この瞬間だけはもう全てがどうでもよくなった。

今のままでいいんだよ、ありのままの俺でいいんだよと言われた気がした。 もちろんゆめちゃんはそんな事1ミリも思ってないだろうし、面倒な客だと思っているだろうし、早く終わらせたいと内心は思っているだろう。


そんな事はとっくにわかってる。 金で女を買うという最低な行為をしているという事だって知ってる。

だけど今までの思いが込み上げてきてハグしている最中に、本当に、本当に、本当に、無意識に涙が出てきた。



ゆめちゃんを目の前に号泣してしまった。

困惑した顔でこちらを見てきた。 当たり前の反応だろう。

ただ今は溢れ出す涙が止まらなかった。



数分後、『ベッドいきます?』と聞かれた、

何も言わずに手を繋いで二人でベッドインした。


ベッドインするとすぐに馬乗りしてきた。 いくら女の子でも大人なだけあってかなり重かった。股下が圧迫されて苦しかったがディープキスをしてきてそれどころじゃなかった。 俺はゆめちゃんが要望を答えてくれたり、キスしてきたりする毎にありがとうございますと逐一礼を言っていたのだが

『こんなに感謝されるの初めてだよ笑 一々聞かなくていいんだよ? やりたい事いっぱいやろうね?』

と言われて萌え死にかけた。

言葉通りに何も言わないで、またハグをした。

この気もちはなんだろう

目に見えない幸せの流れが

ゆめちゃんから伝わって

俺の腹へ胸へそうしてのどへ

声にならないさけびとなってこみあげる

この人と触れていると安心感で体が脱力した。

ゆめちゃんは何も言わないで頭を撫でてくれた。


その後、押し倒されて胸を舐められた

今まで全く胸は感じなかったのに雰囲気からか脳が溶けそうな感覚に襲われた。

勢いそのままにフェラをされた。

初めての感覚。 言葉に形容し難いが、強いて言えば、温かいテンガの感触と同時に性器を微小で気にならない程度に引っ張られているような痛みを感じた。

気持ち良過ぎて下の方も舐めるようお願いしたらそれも受け入れてくれた。 終わった後に

『普通はここまでサービスしないんだよ?? でもお兄さん初めてだし、私もやりたかったからサービスした』

と言われた。 申し訳なさを感じつつも一方で本当に他人の気持ちを乗せるのが上手いなぁと感心した。

変わりますか?と言われたので上に乗った。

相変わらずおっぱいを触りつつ手マンをした。

中の感触はあったかい剥いたトウモロコシの柔らかい版を触っている肌触りだろうか、

弄っているとおよそ演技なのだろうが、とても性的情動を掻き立てるように喘ぐから演技も上手いなぁと、ある面で冷静な自分がいた。


一通り終わって35分くらいだろうか。 あと半分だ。

再び押し倒されてゴムを付けてもらった。

ゴムは黒と金のパッケージで確かピンクのゴムだった気がする

手早く装着してもらった。 ゆめちゃんが密着してきて素股をしてくれたのだが、やっている最中

『これが素股って言うやつですねー』

と何故か解説してきた。 流石に素股ぐらい知っているのだが() 仕方なく

『なるほどー ありがとうございます。』とおおよそ行為中では使わないであろう言葉で返答した。

素股も終わりいよいよ挿入の段取りである。


再三押し倒されたあと、騎乗位で奪われた。

ずっとずっとずっと求め焦がれてきた

今まで絶えず妄想してきた快楽がここにある。

想像したよりも肉体的快感は少なかった

だけど

想像したよりも温かい。

0.02ミリメートルの壁がすげーもどかしくならなかった

生暖かくてとても柔らかい肉に優しく包まれている感触


今ここで死んでも文句は無い

寧ろ快楽に包まれて幸せの絶頂の中、命を断ちたかった

こんなに幸せな事があったなんて、嬉しさで天にも昇る気分だった。


同時に

俺を嘲笑い、見下してきたみんなが、こんなに気持ちいい、幸せな事を大好きな人と日々営んできた、営んでいる事実が胸を締め付けてきた。


俺は金を払わないと、ろくすっぽこんな事を経験出来ないのか

なんだか、愛情から、慈しみから永遠に仲間外れにされている気持ちに襲われた。


幸せと哀しさを混ぜ合わせて出来た感情が全身を支配した。


その時、


ゆめちゃんが俺の顔を見つめ拍手をしてきた。

『良かったねー 卒業だよ?』

あまりにも拍子抜けする事態に、驚きながらも

『はい! ありがとうございました!』

と返答している自分がいた。


高校の卒業式で先生と生徒が交わす会話かよ


『いえいえー こんなに感謝されると私もやりがいがあるよー』


どこまでも健気だった。

哀しさはどこかに消えた。

あと数十分の幸せを享受しようと心に留めた。


ゆめちゃんが再びキスをしてくれた

完全に理性が無くなった。 ボディソープの優しい匂いに包まれて、

間髪入れずに俺の上で動いてきた。

奥に到達する度に柔らかな刺激が身体中に駆け巡る。

AVで見てた光景が眼下で行われている。

しかしながら、騎乗位は相手とのタイミングが一致しないと気持ちよくない。

相手が腰を浮かして、落とすタイミングで突かないといけないのだ。

最初は噛み合わないでガチャガチャした感じだったが、次第にタイミングが合ってきて快楽が襲う。

やはりセックスは愛の共同作業なのだろうか、、

ソープ嬢との間に愛など生まれ得ないのならこれは一体なんなのだろうか、、

何はともあれ、年上の女の子に押し倒されて騎乗位で奪われたい被虐的な長年の欲求が叶って嬉しかった。


今度は正常位

体勢が難しかった。 挿入した後に、どうすればいいですか?と聞いてしまう程だった。

『腰振ってみて?』と言われたのでその通りにしてみたら『あ、そうそう いい感じだよー』との反応。

この体勢は維持をする事が精一杯で、快楽を得ることが二の次になってしまった。

ヤる前に危惧していた早漏には幸いならなかったが今度はなかなか、いけない問題が微かに浮上した。

しかしそれは取り越し苦労だった。

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